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ネイチャーアクアリウムにおいて流木は構図やレイアウトの骨組みをつくり、自然な景観の形成にかかせない素材です。だけど流木のことって探すとまとまった情報が意外にないんですよね。私も知らないこといっぱい。これからも徐々に情報量を増やしていく予定です。
■流木のアクについて 流木に含まれる成分が水に溶け出して水を茶色くさせるものをアクといいます。その主な成分はフミン酸、フルボン酸、タンニンなどの腐食酸で、熱帯河川を流れるブラックウオーターに含まれる成分と同様です。そしてピートとも同じ成分。そう、水質を弱酸性にさせる働きがあります(pHを下げる)。
■役にたつ流木のアク 水を茶色にするアクは観賞的にはうれしくないものですが、状況によってはそれなりに役にたちます。例えば水槽立ち上げ初期は水草の活力が弱く、新しい底床のソイルのせいでの栄養富化、そして強光と、コケ大発生の原因が揃っています。しかし水草水槽では、水槽セット初期に茶色く色づくことで強光をやわらげてコケの発生を抑える効果になります。そして立ち上げ初期の頻繁な水換えや水槽環境が整ってきて水草が活力をつけるころには、だんだんアクも抜けてきます。そして数カ月、水草レイアウトの完成を迎える頃には流木のアクも抜けてしまっている、というのが理想的でしょう。また、アクで染まった水や成分は、魚を沈静化させる働きもあります。
■流木のアク抜きについて 流木のアク抜きをするか否かは、それぞれの好みでしょう。立ち上げ当初からクリアな水にこだわる方がいれば、上記のように立ち上げ段階の過程として割り切っている方もいます、私もそうですが。では、アク抜きの方法をあげてみます。 [成り行き方法] アク抜きをせず直接レイアウト水槽に使用します。当然、水が茶色になりますが、定期的な水換えで次第にアクが抜けていく成り行きにまかせた方法です。オールドブラックウッドなどADAの流木は基本的にこの方法をとります。アクの強い流木の種類によっては、最悪、1年以上も抜けきれないこともありますが、私的にはこれもネイチャーアクアリウムの定義の範疇じゃないかと考えますけどね(笑)。なお、補助的な対策として、アクが抜けるまでの期間、フィルターの最上層に活性炭等の吸着ろ過材を使用して定期的に交換を続けます。とくに立ち上げ初期にはコケの原因となる余分な有機物質の除去としても有効です。 [つけ込み方法] 水に長期間つけ込んでアク抜きするオーソドックスな方法。アクのぬけ具合をみて、定期的に水を換える。数カ月〜1年以上することもある。 [煮沸方法] 早い話、流木を煮て、早くアク抜きする方法です。ただしこの方法は、私はおすすめしません。もし、内部に樹脂(タールなど)が残っていた場合、溶け出したら最悪な状態なるからです。ADAのオールドブラックウッドがよい例ですが、タールを多量に含んでいる場合もあります。煮沸をしなければ溶け出すこともありませんし、水質にも影響はありません。 [アク抜き剤] アク抜き剤はアク抜き期間を短くできます。大きな容器にぬるま湯とアク抜き剤を入れてよく溶かし、流木を完全に沈めます。だいたい2〜5日くらいで水が茶色になる。一旦出してブラシ等を使い流水で細部なまでよく洗い流し、きれいな水に1日くらい沈めておく。最後に流水でよく洗ってからレイアウトに使用します。
■流木のトラブルおよび注意 流木から溶け出すタンニンは水中に溶けたタンパク質などを凝固させる作用があるため、水が汚れていると白く濁ることがあります。立ち上げ初期ならば、ろ過が立ち上がるまでの定期的な水換えで対処できます。問題なのは魚が入っている場合です。水を白く濁らせる物質は魚のえらに付着し、酸欠をおこさせる原因になるからです。魚を多く入れた水槽に後から新しい流木を入れた場合はとくに気をつけましょう。 極端にアクの出る流木は、腐食酸の他にも有機物質を放出し、コケの原因になることがあります。また、日本の山河などで採集された流木は性質上内部がやわらかい場合が多く、水槽内の高温で腐って水を汚すことがあります。こうした、明らかに水槽環境に悪影響を与えている場合は、速やかに撤去することをおすすめします。
■コケ対策について [コケ対策生物について]魚ではサイアミーズ・フライングフォックスがよく食べてくれます。ただし、大きくなると10cmをこえて目立つし、人工餌になれてコケをあまり食べなくなる欠点があります。オトシン類も有効ですが流木に生えたコケに大しては駆除には力不足で、予防程度と考えたほうがよいでしょう。とくに黒ヒゲゴケに対してはほとんど期待もてません。流木に対してのコケ対策に有効なオトシンは、パラオトシンやネグロでしょう。通常のオトシンクルス(アーノルディ)はサイズのわりに役不足のようです。エビでは、サイズが大きめのものがよく、やっぱりヤマトヌマエビ。やっかいな黒ヒゲゴケには、ノコギリヌマエビが有効らしい。貝では、石巻貝が代表格ですが、ところかまわず這いずり回るのでとくに流木への期待は薄い。他の貝類も同様。このように、生物だけで流木のコケの駆除に期待するのは少々無理があります。流木に関しては、あくまでも補助や予防としての位置付けです。 [人的対策について] もっとも簡単なのは歯ブラシでこすりながら削ったカスを細めのチューブで吸い出すことです。黒ヒゲゴケは、しっかり活着して歯ブラシではとれないこともありますが、工務店やホームセンターに売ってあるサイズの小さい金ブラシだと速やかに落とせます。コケは胞子や欠片が別の場所に活着してしまうので、チューブで吸い出しながらの作業は重要です。それと、木酢やADAフィトンギットを使う方法もあります。強い酸で焼いて駆除するという感覚でしょうか。使用方法は、コケの生えた流木が露出するまで水槽の水を抜き、原液を筆等で直接コケに塗ります。とくに時間はおかなくてもよいのでそのまま再度水をためます。木酢を塗った部分のコケは焼けたというか煮えて死滅しています。その箇所をエビが好んで食べるので、最終的にはエビ頼りで跡形もなくなります。この方法は、広範囲を一度に処理しない方がよいです。木酢やADAフィトンギットを多量使用すると水質に影響をあたえてしまいますし(水換えをもう一度すればよいことですが)、最終的なエビ頼りも範囲が広すぎると手がまわらないからです。そういえば、水中内で原液をスポイドでコケに直接吹き掛けるという処理もあるようです。まぁ、水を抜かないぶん作業的には楽でしょうが、いくらなんでもまわりはすべて水なわけで、すぐに水で薄まってしまいます。何度か繰り返すことで表面的には煮えるでしょうが、コケの根までの駆除は無理、いずれまた再生します。それに、吹き掛けたことによる液のモヤモヤとした固まりが水流で移動して他の水草に影響をあたえる懸念もあり、あまりよい方法だと思いません。
■流木の種類
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